2014年08月26日

東北大と菱ガス化、全固体リチウムー硫黄電池開発

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：三菱ガス化学、科学技術振興機構

科学技術振興機構（JST）は26日、東北大学と三菱ガス化学の共同研究グループが、蓄電池性能の高性能化に極めて重要な役割を果たす硫黄正極と金属リチウム負極を併用した全固体リチウムー硫黄電池の開発に成功したと発表した。 これは、錯体水素化物「水素化ホウ素リチウム（LiBH4）」を固体電解質として使用する共同研究グループの独自技術によって実現したもので、高エネルギー密度型全固体電池の開発にめどをつけたことになる。 共同研究グループはこれまで、錯体水素化物の電池用固体電解質としての高い機能性に世界に先駆けて着目し、錯体水素化物をベースとした新規固体電解質の開発を進めてきた経緯がある。 開発した全固体リチウムー硫黄電池は、少なくとも45回の繰り返し放充電においても顕著な劣化は起こらず、硫黄正極重量当たりのエネルギー密度が髙く、従来の電池に使用されている正極材料と比較すると2－3倍以上の高い値で安定に動作することを確認した。 今回の研究成果は、蓄電池の小型化・軽量化を達成するための高エネルギー密度全固体電池構成の指針を示した重要な成果となる。 これらの研究成果は、8月25日（現地時間）に米国物理学会誌のオンライン版に掲載される。