2014年09月12日
理研など、毛根細胞から精神疾患の診断マーカー発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は12日、ヒトの頭皮から採取した毛根の細胞に、ヒトの脳の細胞と共通する遺伝子が発現していることを発見し、これらの遺伝子の発現量の変化が、統合失調症や自閉症などの精神疾患の早期診断を補助するバイオマーカーとなることを突き止めたと発表した。
理研と東京都医学総合研究所、浜松医科大学、山口大学、慶應義塾大学の共同研究グループが見つけた。

共同研究グループは、頭皮の毛根細胞が発生学的に脳の細胞と同じ外胚葉由来であることに着目し、統合失調症患者や自閉症の人から約10本の毛髪を採取して、すでに精神疾患の死後脳で発現変化が確認されている遺伝子の毛根細胞での発現量を測定した。

その結果、統合失調症患者の毛根細胞では、脂肪酸結合タンパク質(FABP)の遺伝子発現量が健常者に比べて約40%低下し、自閉症の人の毛根細胞も遺伝子の発現が低下していることがわかった。

今後、毛根細胞の遺伝子発現測定を行うことにより、精神疾患の簡便・客観的な評価が可能とになり、早期発見、早期治療に役立つと期待される。