2000年11月02日 |
三菱レイヨン、キレート剤原体の値上げが浸透 |
キロ30円、湾岸戦争以来の値上げに |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:BASF、昭和電工、三菱レイヨン |
三菱レイヨンが進めてきたキレート剤原体の国内値上げ交渉は、10月出荷分から全銘柄を対象に一律キロ当たり30円幅でほぼ浸透した。 キレート剤原体の値上げが実施されたのは湾岸戦争時以来となるが、ここへ来てのナフサ・ホルマリン・アミンをはじめとする原料の高騰、物流費の値上がりも重なり採算悪化が強まっていた。 キレート剤は、金属封鎖剤として繊維・洗浄洗剤・写真薬・メッキなどの幅広い分野で使われているが、近年は海外での肥料用途での使用量が拡大し、きわめてタイトな状態となっている。 こうしたことから海外では、既に昨年のうちにポンド15セント幅での値上げが実施されており、輸出価格についても値上げが完了している。 キレート剤原体の国内市場は年間約1万トン規模となっているが、同社は年産6,000トンの設備能力(酸換算)を持つほか、昭和電工も3,000トン強の設備を持っており、国内メーカーではマーケットをカバーできない状況となっている。 一方、欧米メーカーではM&Aから、ダウケミカルが6万トン、アクゾノーベルが6万トン、BASFが4万トンなど寡占化が進んでいる。 キレート剤は、用途面から先進国型のマーケットとなっていることもあり、今後はアジアでの成長が期待されている。こうしたことから同社でも安定供給を図る一方で、再投資可能な状況にする必要があるとして、今回の値上げ実施となったもの。 |