2014年09月22日
昭和電工、パワー半導体用SiCエピハー、6インチ品増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工
SiCエピウェハー 左から6,4,3各インチ品

昭和電工は22日、秩父工場(埼玉県)でパワー半導体向け炭化ケイ素(SiC)エピタキシャルウェハー(エピウェハー)6インチ(150ミリ)品の生産能力を月産400枚から1,100枚に増強したと発表した。これにより生産能力は4インチ(100ミリ)換算で約6割増の2,500枚/月となった。投資額は非開示。
また、10月から高性能デバイスに対応した新グレード製品の出荷を開始する。

SiCパワー半導体は、現在主流のシリコン(Si)製に比べて耐高温・高電圧特性や大電流特性に優れ、電力損失も大幅に削減できることから、電力制御に用いるモジュールの軽量・小型化と高効率化を実現する
次世代型パワー半導体として注目されている。

昭電は秩父工場で3インチ(76.2ミリ)、4インチおよび6インチのSiCエピウェハーを製造してきたが、今回はとくにデバイス生産効率の高い大口径6インチ品の供給を拡大するため、全サイズに対応可能なCVD装置を増設した。従来装置に比べてエピの生産効率性が約30%高く、デバイスのコスト低減にも貢献する。

将来は自動車、発送電、高速鉄道向け市場の拡大とともに、モジュールの一層の大電流容量が求められている。
同社はエピウェハーから生産されるSiC チップの大型化に伴うチップ生産時の歩留まりを約10%向上させた新グレード品を10月から発売する。

SiCパワー半導体の市場は、2020年には300億円規模に拡大すると予想されている。
同社は市場ニーズに応えながら、拡大するマーケットを積極的に取り込んでいく方針だ。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1411364002.pdf