住友化学工業

CHEMNET TOKYO

1999年12月21日
通産省化学品審議会もスチレンの安全性を認める
ダイマー、トリマーともに特別の試験不要と結論
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:なし

 通産大臣の諮問機関である化学品審議会の試験判定部会は21日、内分泌かく乱作用検討分科会の第四回会合を開き、内分泌かく乱化学物質問題に関するこれまでの検討結果の中間報告案について意見を交わした。その結果、検討の対象物に取り上げてきた合計9種類の化学物質のうちのスチレンダイマーとスチレントリマーについては、”各種のスクリーニング試験によってホルモン様活性を有しないことが認められている”として、”今後特別の試験の実施は必要ない”との結論を下すことで意見の一致をみた。厚生省、環境庁、農水省の各関係省庁と同じ結論がまとめられたわけ。
 同分科会は、環境庁が”内分泌かく乱作用を有すると疑われる化学物質”としてリストアップしている67物質群のうち、農薬登録や食品衛生法の規制がなくこれまで調査対象になっていないため内分泌かく乱作用を含む有害性データが不足している9種類の物質群を対象に、各種の文献や研究報告等を調査・検討して有害性の総合評価を行うことを目的に今年8月に設置されたもの。いらいこれまでに公的専門機関や専門家の協力を得て検討・評価作業を展開してきたが、必要な作業が完了したためその結果を中間報告のかたちにまとめることにしたもの。
 対象に取り上げられたのは、(1)オクタクロロスチレン(2)スチレンダイマー、トリマー(3)n-ブチルベンゼン(4)フタル酸ジシクロヘキシル(5)ベンゾフェノン(6)ポリ臭化ビフェニル(7)2,4-ジクロロフェノール(8)フタル酸ジエチル(9)フタ酸ブチルベンジルーーの各物質。これらのうちスチレンダイマーとトリマー以外の物質についても”性ホルモン作用、内分泌かく乱作用を評価するための十分な科学的知見は得られていない”との結論が示されている。ただし、今後必要な対応については、物質によって異なる見解がまとめられている。例えば、スチレンダイマー、トリマーについては”ホルモン様活性を有しないことが多くの試験で確認されているので今後の試験は不要”との見解が示されているが、他の物質に関しては”スクリーニング試験ならびに各種ホルモン濃度測定を含めた内分泌系への評価が可能となるようにデザインされた二世代繁殖毒性試験などのより高次の試験の実施が必要”との見解が表明されている。
 事務局の通産省では、同日の委員各氏の意見を参考にして中間報告をできるだけ早くまとめて公表するとしている。





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