2014年09月29日
東レ、石川工場に炭素繊維スリット加工設備導入
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東レ

東レは、石川工場(石川県能美市)に炭素繊維「トレカ」を使用した炭素繊維樹脂含浸シート「プリプレグ」をスリットテープに加工する生産設備を導入することを決定したと発表した。スリットテープは、「プリプレグ」を細幅にスリットしたもので、米ボーイング社による設備認定を取得した後、2016年7月にボーイング787型機向けに供給を開始する予定である。

石川工場では、2009年7月に「プリプレグ」第1系列を稼働した後、スポーツやIT(情報技術)機器、自動車などの高付加価値産業用途に加えて、ボーイング787向けに「プリプレグ」を供給している。また、石川工場は2013年7月には第2系列増設を決定している。

今回導入する設備で生産するスリットテープは、米国子会社Toray Composites(Amerika)=TCA=が供給しているもので、日本国内における787型機向け需要も米国からの輸入で対応してきた。石川工場にスリットテープ生産設備を導入することで、東レにとっては初のスリットテープ国産化となり、日米2拠点供給によりボーイング787機向け材料供給体制が強化される。

ボーイング787型機は、現在月産10機体制で生産中だが、2016年に月産12機、2019年末には14機に引き上げる計画。東レは、増大する787型機向けの「プリプレグ」需要に対応して、今年2月にTCAにおけるプリプレグ設備能力の増強を決定しており、今回のスリットテープ生産設備導入と併せて787型機向け需要増に対応していく方針である。