2014年09月29日
三井化学、LIB安全材料「STOBA」独占ライセンス
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三井化学

三井化学は29日、台湾子会社である亞太三井化学(平岩健司薫事長)が台湾工業技術研究院(ITRI)から、リチウムイオンバッテリー(LIB)の熱暴走を抑制する新規材料「STOBA」の製造販売に関する独占的ライセンスを取得したと発表した。

ITRIは2006年に従来の安全材料と異なるメカニズムでLIB異常時の熱暴走を抑え込む「STOBA」を世界で初めて開発した。2009年には米国R&D100Awardを獲得。2012年からは三井化学と共同でさらなる開発や市場性評価などを実施してしてきた。

「STOBA」は、ナノサイズの樹木状構造を持つ機能性ポリマーで、LIB異常発生の高温時には被膜を形成し、リチウムイオンの移動を抑制することで電池を安全に停止させる機能を有する。
台湾ではすでにスマートフォンなどの電子機器や一部バイクなどに採用されている。

蓄電市場では今後、高エネルギー化、大型化とともに、EVなどの車載用途拡大もあり安全性のさらなる向上が課題となっている。

三井化学では2016年度までに台湾に「STOBA」の製造拠点を設置し稼動開始させる計画。
保有するポリマー技術や複合技術と組み合わせさらなる性能向上をめざす。LIB用部材の開発も急ぐ方針だ。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1411962445.pdf

(英文)
ITRI Grants Tiwan Mitsui Chemicals Exclusive License to Manufacture and Sell STOBA
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1411962445.pdf