2014年11月04日
石化協と石連、「津波防災の日」講習会
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全)
【関連企業・団体】:石油化学工業協会、石油連盟
熱心な聴講者で埋まった会場

東日本大震災による地震と津波は、周辺沿岸の石油、石油化学工場にも大きな被害をもたらしたが、11月5日は国が制定した「津波防災の日」。石油化学工業協会と石油連盟は4日、東京大手町の会場で「津波防災の日」講演会を開催し、改めて“津波に備えよう”と訴えた。

東日本大震災の発生時、JX日鉱日石エネルギー仙台製油所の副所長だった細井秀智氏(現JX日鉱日石リサーチ技術調査部副部長)と、同じく三菱化学鹿島事業所長だった梶原泰裕氏(現同社顧問)の両氏が、生々しく当時の状況を報告、有事の備えとして“企業間の協調と連携”がいかに重要かをアピールした。

続いて、東北大学の今村文彦教授(災害科学国際研究所所長)が、「東日本大震災の津波被害の実態と教訓」をテーマに講演した。
同教授は、さまざまな観測データを示しながら、地震の規模や津波が襲ってきた速さなどを説明。「私たち(専門学者)には、その前から三陸沖では大きな地震がいつ起きてもおかしくないとの認識はあった。だが、1000年に一度といった、あのように大きな災害は予想できなかった」と“反省”を込めて振り返った。また地域の復興と防災に向けて「高地移転や多重防潮林、技術、人材育成などが必要だ」と繰り返し説いた。
会場を埋めた石油・石油化学両業界の関係者は終始緊張した表情で聴き入っていた。