2014年11月06日
東邦テナックス、超高耐熱プリプレグを開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:帝人

帝人グループで炭素繊維・複合材料事業を展開する東邦テナックス(本社:東京都千代田区、吉野隆社長)は6日、高い耐熱性及び耐酸化性能を要求されるエンジン周りに使用することができる新しいタイプのプリプレグ(炭素繊維シートに樹脂を染み込ませたもの)を開発したと発表した。
プリプレグは炭素繊維複合材料(CFRP)の中間材料として使用されるもので、一般的に軽量で高強度なエポキシ系の樹脂が使用されている。これに対して、エンジン周りの部品など、とくに超高温下で使用される用途では、ビスマレイミド系などの樹脂を使用したプリプレグが用いられており、すでに自動車やバイクのマフラーなどに採用されているが、高温下での連続使用に伴う樹脂の酸化による強度劣化や熱による膨張と収縮の繰り返しで発生する亀裂(ヒートクラック)が問題となっていた。
今回、同社が開発したプリプレグは、炭素繊維織物にビスマレイミド系樹脂を含浸させたもんで、従来のプリプレグに比べても耐熱性に優れる320℃以上というガラス転移温度を達成した。また、200℃台後半の連続使用においても耐酸化性能を示し、ヒートクラックが発生することのない高性能プリプレグである。
同社は、航空機のエンジン関連部品として開発を進めており、将来的には自動車向けなど高温領域で使用される用途に幅広く展開していく方針である。