2014年11月19日
淡輪・三井化社長、今期純益400億円、「V字回復」に自信
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学
淡輪 敏社長

三井化学の淡輪敏社長は19日の経営概況説明会で、2014年度の業績見通しについて「ポートフォリオ変革が進み、機能化学品や樹脂部門の市況が改善したこともあって業績は順調に回復軌道に乗っている。配当も中間2円、期末3円の年5円を前倒し実施する」と“V字回復”に強い自信を示した。

14年度の通期予想は、売上高 1兆6,230億円(前回予想 1兆6,800億円)、営業利益 400億円(350億円)、最終利益 140億円(120億円)となる見込み。前年度比では、売上高4%の増収、営業利益61%の増益、最終利益は251億円の赤字から一挙に黒字転換を果たす。

基本戦略として、成長が見込まれる「モビリティ」、「ヘルスケア」、「フード&パッケージング」各事業には今後も重点投資し拡大を係る。「基盤素材」事業は再構築し強化していく方針だ。

基盤素材戦略では、国際商品の中でもとくに中国勢との競合で市況低迷が続くフェノールおよびPTA、ウレタン原料の3事業の再構築を柱に据えてきた。フェノールは、日本ではすでに千葉フェノール、市原BPAを停止、またシンガポールでは3基あったPH・BPAを各1基にしぼりフル稼働体制を構築中だ。

PTAは「すでに抜本対策を講じてきた。一部メーカーの撤退もあってスプレッドも改善してきた」とした。
ウレタン原料事業は鹿島工場の停止時期を当初の16年12月から16年5月に早める。大牟田MDIプラントの停止も同様に早め、リストラ効果の早期実現につなげる。

一方、自動車部品向け樹脂材料、メガネレンズ材料や歯科材料などのヘルスケア材料、農薬など、付加価値の高い製品群は引き続き拡大を図る。

中長期目標として、2020年度売上高1兆8,000億円、営業利益1000億円、最終利益500億円、ROA6%の達成を目指すとした。