2000年10月27日
旭化成、韓国・東西石油化学のAN/青化ソーダを増強
2003年春にAN27万トン/青化ソーダ4万トン体制に
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成工業と同社の100%子会社である東西石油化学は26日、東西石油化学の既存6万トン設備とのスクラップ・アンド・ビルドにより、AN(アクリロニトリル)を20万トン増設することを決定した、と発表した。新設するANは年産20万トンで、12月に着工する。また、増強にともない主力誘導品である青化ソーダも1万5,000トン増強、副生する青酸の有効活用を図る。
 今回の計画では、東西石油化学の蔚山工場内に年産20万トン設備を建設、これにともない既存設備2系列13万トンのうち、6万トン系列の休止を予定している。これらスクラップ・アンド・ビルドの結果、同社の生産能力は14万トン増加、27万トンに拡大する。一方、青化ソーダは1万5,000トン増設、既存2万5,000トンとの合計で4万トン体制となる。両設備の建設は今年12月に着手する予定で、2003年3月に商業運転を開始する見通し。総投資額は両設備あわせ約100億円を見込んでいる。
 ANの世界需要は年間約500万トンで、そのほぼ半分の需要が日本を含むアジア地域にあり、今後もアジア需要の拡大が期待されている。旭化成は、成長市場であるアジアを中心にAN事業を展開、拡大する需要に対応すべく、早期の生産体制再構築を検討してきた。現在旭化成グループのAN生産能力は、日本(水島、川崎)40万トン、韓国(東西石油化学)13万トン、米ソルーシアからの引取権5万トンの計58万トンだが、今後の需要に対応するには不十分と判断、東西石油化学でスクラップ・アンド・ビルドによる増強で国際的コスト競争力の強化を図ることにした。東西石油化学の増強が完成すると、グループで72万トンに拡大する。
 なお旭化成は、2001年末完成予定で川崎に1万トン新設して新規参入を計画しており、東西石油化学とあわせ5万トン体制が構築される。また東西石油化学はこのほか、アクリルアマイド(年産1万トン)、EDTA(同3,000トン)も手がけている。