2015年01月13日
東レ、輝度を10%以上向上の白色LED用蛍光体シート開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

東レは13日、投入電力をあげることなく白色デバイスの輝度を10%以上向上させることが可能な高輝度白色LED用蛍光体シートを開発したと発表した。従来製品と同等以上の長期信頼性が得られることを確認できたため、このほど本格販売を開始した。

白色LEDは現在、青色LEDと黄色蛍光体あるいは赤・緑色蛍光体を組み合わせて白色発光させる方法が主流だが、従来から白色LEDデバイスの高輝度化が課題となっていた。従来工法では蛍光体の沈降・凝集によって白色光の品質にバラツキが生じる問題があった。さらに、白色LEDに使用する蛍光体は非常に高価で、一般的にレアアースが使用されていることから、蛍光体削減が業界の大きな課題となっている。

東レは今回、独自の蛍光体分散技術によってシート状に成形した白色LED用蛍光体シートを開発した。
シリコーン樹脂の屈折率を制御することにより、LEDデバイスの輝度を10%以上向上させることに成功した。
蛍光体の高濃度充填による薄膜形成が可能なため、従来工法に比べて放熱性にも優れており、投入電力を上げて輝度向上を図ることもできる。蛍光体を均一分散し、膜厚精度に優れ、白色光の色バラツキを最小化することも可能となった。

同社は同シートを、ラミネート装置やプロセス技術と組み合わせることで、ハイパワー照明や自動車のヘッドランプなどへの本格採用を目指す。