2000年10月25日
アセトン国内値上げ交渉、今週が大きな山場に
メーカー側、早急にコストアップ分の転嫁を
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学

 アセトンの国内値上げ交渉は、メーカー側では今週をターゲットに絞って値決めの最終調整を進める方針で、交渉が大詰を迎えている。
 アセトンの国内価格値上げは、昨年7月、10月、今年4月と3度に渡って実施され、今回が第4次の値上げとなるが、メーカー側では原料価格の急騰により依然として採算的に厳しい状況にあるとしている。三井化学では現在のアセトン国内価格はナフサ2万円の水準であるとしており、4Qの国産ナフサが2万6,000円とすると、プロピレン価格のコストアップはキロ12円になるとしている。また、原油、重油などの用役コストも上昇しており、これらのコストアップ分を3円としても15円のコスト転嫁は避けられないとするもの。
 こうしたことからメーカー側では今月の締めを迎えた今週をターゲットとしてユーザーへの理解を求める方針で、最終的には11月までには最終決着を図りたいとしている。
 ユーザー側もこうした原料アップへは理解を示しており、今後は自製品の価格転嫁交渉が本格化するものと見られている。
 アセトンは全世界で需給タイト化がすすんでおり、原料の高騰から既に米国・欧州では先行して値上げが進められてきている。また、アジアでは中国を中心として11月分も活発な引き合いとなってきており、安定供給の面からも早急に原料コストアップ分の転嫁が求められている。