2000年10月25日
三井化学、フェノール800ドル、アセトン600ドルへ引き上げ
依然として需給はタイトに推移、原料高騰で採算悪化進む
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、フェノールのアジア向け輸出価格についてCIF・トン750~800ドルへ引き上げる方針を決め、今後の契約分について交渉を行う方針だ。アセトンについても600ドルを目指し引き上げ交渉を本格化させる。
 フェノールのアジア市況は現在700ドル台で推移しているが、需給は依然としてタイトに推移しており、ナフサなど原料価格の高騰により採算悪化も強まっている。
 とくに需給面では、米国での新増設の立ち上げの遅れ、欧州で需要が堅調に推移していることからアジアへの玉流入が依然として低水準となっており、台湾の新増設設備についても稼働が低レベルであることからタイト感が続いている。
 一方、アセトンは11月分から引き合いが急速に回復しており、MMA(メチルメタクリレート)モノマー向けも好調であることから需給は一段と締まってきている。現在のアセトンのアジア市況は東南アジア向けが550~560ドル水準となっているが、原料のプロピレンのコストアップもあり600ドルを目指しての交渉を行うとするもの。
 また、同社では今月末から来月まで千葉・市原工場のフェノール年産19万トン、アセトン11万4,000トン設備の定修を実施することから、一段と需給タイト化が進むと見ている。