2015年02月05日
日化協、新LRI第3期の新規採択課題 3件決る
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学工業協会

日本化学工業協会は5日、「新LRI」(Long-range Research Initiative: 化学物質が人の健康や環境に及ぼす影響に関する研究の長期的支援活動)の第3期(2015年度)委託研究課題として、応募のあった25件の中から善本隆之・東京医大教授ら3件を選び採択したと発表した。3月から委託研究を開始する。
「新LRI」委託研究課題は、現在継続中の15件と合わせて18件になった。

<新規採択した研究課題>
■「化学物質の呼吸器感作性in vitro評価法の開発」
東京医科大学 医学総合研究所 免疫制御研究部門  善本隆之 教授
 より生体に近い免疫応答性三次元培養系を構築し、呼吸器感作性の新しい評価法の開発を目指す。喘息等の原因である呼吸器感作は、まだ優れた評価法が確立されていない。日化協LRIでは、すでに2題の研究を実施しているが、今回は生体を摸倣した三次元培養系の細胞を利用するという新しい発想での評価法確立を目指す。

■「ナノマテリアルの遺伝毒性メカニズムに基づいた新規in vitro遺伝毒性評価系システムの構築」
独立行政法人 国立がん研究センター研究所 発がん・予防研究分野  戸塚ゆ加里 ユニット長
 提案者は、従来の単独の細胞を用いた培養系では評価できないナノマテリアルの遺伝毒性について、複数の細胞を介したメカニズムよる評価法が有効であることを見い出している。本研究では、生体を模倣した各種細胞の共培養系および三次元培養系を用いる新たな発想で新規なin vitro肺/皮膚毒性評価系の開発を目指す。

■「エストロゲン作動性化学物質に対する新規in vivoスクリーニング試験系の構築と低用量影響評価」
岐阜薬科大学 衛生学研究室  中西剛 准教授
 提案者が独自に作成したエストロゲン応答レポーターマウスは、エストロゲンに対するレポーター遺伝子の発現において非線形用量反応(NMDR)を示す。本マウスを用いた提案研究により、世界的に大きな議論となっている内分泌かく乱物質のNMDRの機構解明につながることが期待される。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1423114263.doc