2015年02月06日
クラレ、欧州でEVOH樹脂「エバール」能力増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:クラレ

クラレは6日、ガスバリア性に優れたEVOH樹脂「エバール」(商標名)の需要が好調なため、ベルギーの現地法人であるエバールヨーロッパ社で生産能力の増強を決めたと発表した。ベルギー・アントワープの工場に設備投資額80億円をかけて現有年産24,000トン設備を35,000トンに拡大する。2016年末稼動開始の予定。

EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)は、1972年に同社が世界で初めて工業化した機能性樹脂で「エバール」はその商標名。優れたガスバリア性を生かして、食品包装用を中心に医療分野や自動車用ガソリンタンク、最近は汚れ防止壁紙、床暖房用パイプ、冷蔵庫用真空断熱板など用途が広がり、需要も増大してきた。安定供給体制維持のためには生産能力の増強が必要と判断した。

クラレは「エバール」で現在、日本(岡山)に年産10,000万トン、米国テキサス州に同47,000トン設備を持っており、3拠点合わせた生産能力は年産81,000トン。欧州での増強完了後は同92,000トンとなる。

<エバールヨーロッパの会社概要>
・社名 : EVAL Europe N.V.
・社長 : 下 浩幸
・資本金: 29,747 千ユーロ(クラレ100%間接出資)
・従業員: 約120 名
・事業内容: 欧州での「エバール」の製造、販売
・所在地:ベルギー・アントワープ

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1423196951.pdf