2015年02月17日
金沢大など、慢性炎症による大腸がん悪性化 解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は、金沢大学・大島正伸教授らの研究グループが、モデルマウスを用いた遺伝学的解析により、慢性炎症反応が誘導する大腸がん悪性化の仕組みを世界で初めて解明したと発表した。

金沢大学、京都大学、フランスのキュリー研究所、東京医科歯科大学、慶應義塾大学が共同でJST戦略的創造研究推進事業の一環として行った。

研究グループは、浸潤性大腸がんを自然発生するモデルマウスを用い、浸潤がん組織で炎症反応が強く誘導されていることに着目した。がん抑制経路であるTGF-βシグナルを抑制したマウスに潰瘍性大腸炎を誘発することで浸潤性大腸がんが発生することを観察し、がんの悪性化進展は、特定の遺伝子変異と慢性炎症の相互作用により誘導されることを明らかにした。

これにより、慢性炎症の制御によるがんの悪性化を制御できる可能性が示され、将来的にはがんの悪性化進展を予防する抗がん薬開発が期待される。