2015年02月17日 |
カネカ、肥料事業展開へ 酸化型グルタチオン技術取得 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:カネカ |
カネカは17日、岡山大麦ゲノムテクノロジー社(OBGT、本社:埼玉県、井上悟社長)から農業分野向け酸化型グルタチオン(GSSG)に関する特許実施権許諾包括契約を締結したと発表した。 今春をめどに「カネカ ペプチド」として、GSSG肥料の販売を開始する。大型事業化させる方針だ。 GSSGを植物に施肥することで、光合成の主要回路であるカルビン回路を活性化させ、二酸化炭素を効率よく固定する。光合成によってできた糖類を高効率で蓄積し、農作物の増収や糖度を向上させる。 同研究はJSTの戦略的創造研究推進事業の一環として、岡山県農林水産総合センター生物科学研究所(RIBS)の小川健一グループ長らが実施。「第2の緑の革命」として評判になった。 カネカは2010年からRIBSおよびOBGTと共同研究・開発してきた。 カネカは日本でGSSG肥料として5つの肥料登録を済ませたほかカナダ、米国、中国、インド、タイ、ベトナムなどの農作地で、グローバルに試験的施肥を実施している。 ジャガイモ、キャッサバ、サツマイモ、コーン、タマネギ、ナスなどで10%から40%の顕著な増収効果が確認されており、GSSG肥料の活用は、世界的課題である食料事情の解決策につながるとみている。 今後「カネカ ペプチド」として、GSSG肥料を大型事業化させ、2020年に売上高100億円以上をめざす。 ■岡山大麦ゲノムテクノロジー株式会社の概要 ・事業内容 :JSTのCRESTの研究成果を基本として、2005年4月1日設立されたJST発の企業。植物生産性(収量増加、品質向上、ストレス耐性など)賦活化技術、有用タンパク・ペプチド(抗体医薬、検査薬など)大量生産技術、高精密度遺伝子地図を利用した新規交雑育種システムの研究開発などの技術を保有する。 ・設立 :2005年4月1日 ・所在 :埼玉県坂戸市 ・資本金:10百万円 ・役員 :取締役会長:鈴木昭憲(東京大学名誉教授) 代表取締役:井上悟(元JST参事) |