2000年10月23日 |
現代石油化学、SM事業の売却を検討~BASFと交渉 |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:BASF、三井物産 |
韓国の現代石油化学は、現在売却交渉を進めているPVC(塩ビ樹脂)事業に続いて、SM(スチレンモノマー)事業の売却を検討しており、BASFとの間で交渉を進めている。同社は、年末に主要銀行への再建計画の提出を予定しているが、これら資産の売却によりキャッシュフローを確保していく方針。 現代石油化学は、大山に2系列あわせ年産39万トンの生産能力を有している。また誘導品では、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)年産6万トン設備がある。今回浮上したSM事業の売却は、同じく売却を検討している合成ゴムの原料であることから、「損失をともなわずに売却することは難しい」(同)と見られている。一方、BASFはシンガポールでシェルとの合弁によりSM/PO併産設備の建設を進めており、同設備からの引取りとSKとのスワップにより、韓国向けのSMを自己調達すると見られていた。 同社は、今年初めにサムスン綜合化学との事業統合、いわゆるビッグディールが不調に終わった後、三井物産やUAE(アラブ首長国連邦)の投資家グループIPICなどと外資導入を目的とした話し合いを進めているが、「他の財閥に比べ財政的に厳しい状況にある」(韓国の業界関係者)と見られ、キャッシュフロー確保のため非コア事業の資産売却を急いでいる。すでにPVC事業の売却についてはLG化学との間で交渉が最終段階を迎えているが、合成ゴム事業の売却については、現在の所具体化した話は出ていないと見られる。 |