2000年10月23日

バイエル、ノバルティスの新殺菌剤事業を買収

【カテゴリー】：ファインケミカル 【関連企業・団体】：バイエル

独バイエルはこのほど、ライフサイエンス部門における中核事業の一つである農薬事業の持続的拡大を目指し、ノバルティスから殺菌剤「フリント(FLINT)」新規ストロビルリン系化合物製品ラインを13億3,300万スイスフラン(8億8,000万ユーロ)で買収する、と発表した。 　フリントは、既存の殺菌剤を上回る効能を示し、広範な作物に適用することができる。すでに米国や英国などの重要市場をはじめ35ヶ国で登録されており、2003年までには全世界で上市を完了する見通し。 　バイエルは、フリントの買収により、関連する全ての知的所有権、登録、商標および生産・製剤ノウハウを全世界で保有すると同時に、スイス・ムッテンツの生産施設および約90名の従業員を引き継ぐ。同社では、フリントの売上高は年間3億ユーロ規模になると見ている。また、有効成分のシプロコナゾールをベースとした製品(アゾール殺菌剤)のEUにおける販売独占権も取得する。 　バイエルのマンフレッド・シュナイダ-社長は、「フリントの買収は、中核事業のその成長市場に投資する戦略の一環に位置付けられる。この買収により農薬事業の競争力を高め、同事業分野における利益をさらに増大させることになる」と語った。 　なお今回の買収は、欧州委員会がすでに承認しているが、さらにFTC(米国連邦取引委員会)をはじめ数ヶ国で関係当局の承認を得て実現する。