2015年03月06日
農水省、4年計画で「有害微生物リスク管理」強化
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:農林水産省

農林水産省は、微生物の自主検査行うためのガイダンス(手引書)を作成するために、平成27年度から30年度までの4カ年計画で「有害微生物リスク管理強化対策」事業に取り組む。これにより、農産物及び加工品の生産現場における衛生管理徹底を図る。初年度事業費として、平成27年度農水省予算案に1300万円を新規計上した。

近年、生産段階で有害微生物に汚染された可能性がある野菜や、その加工品の摂取が原因とされる食中毒事案が国内外で発生している。農林水産業の6次産業化の推進に伴い生産者自らが生産・加工・販売を一体的に担うようになるため、生産者自らが最終製品の安全性に責任を負い、生産から加工までの一貫した衛生管理を行う必要がでてきた。

農水省では平成23年に野菜の衛生管理指針を策定、公表したが、生産者自らがこれを実践できる環境が整っていないため、普及が進んでいないのが現状。
そこで同省は、平成27年度から、微生物の自主検査を行うためのガイダンスを作成し、生産者自らが取り組みの効果を確認しつつ、野菜等の衛生管理を実践できる環境を作っていくために「有害微生物リスク管理強化事業」に着手することにした。

具体的な事業内容は次の通り。
(1)生産者等に対して微生物による汚染実態の現状を説明し、汚染低減のための指導
(2)野菜、農業用水、加工・集荷施設の危機・用具、生産者の手を対象とした微生物検査
(3)生産者自らが実践する野菜、農業用水、加工・集出荷施設の機器・用具、生産者の手を対象とした微生物検査の指導
(4)指針の取り組み状況に関するアンケート調査

これらの成果をもとに、「微生物の自主管理を行うためのガイダンス(手引書)」を作成する考え。また、これらリスク管理強化対策事業は、民間団体等による委託事業として実施する方針だ。