2015年03月16日
日本化学会、高校化学の9用語変更を提案
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学会

日本化学会(会長・榊原定征東レ会長)はこのほど、高等学校の「化学の時間」で使われている用語について、9つの用語を変更するように求める提案を発表した。

現在、教育現場で使用されている高等学校「化学基礎」のうち、化学用語15語について検討した結果、9語について変更あるいは使用しないよう提案することにした。

■提案する9用語は次の通り。
▽「イオン式」(高校教科書ではイオンの化学式をイオン式と呼んでいるが、これを「化学式」に変更する)
▽「価標」(使用しない。必要なら「線」「結合」などと呼ぶ)
▽「希ガス」(全ての教科書で「希ガス」を使っているが、海外の高校教科書と共通の「貴ガス」に変更する)
▽「共有結晶」(「共有結合の結晶」か「共有結合結晶」とし「共有結晶」とはしない)
▽「金属の結晶」(教科書では「金属結晶」と「金属の結晶」が混在してるが「金属結晶」とする)
▽「昇華の逆過程」(気体→固体は「凝華」と呼び、固体→気体は従来のまま「昇華」を使う)
▽「絶対質量」(多くの教科書では「相対質量」との対比で「絶対質量」を使うが、単に「質量」でよい)
▽「融解塩電解」(教科書では「溶融電解ともいう」などの補足があるが、「溶融塩電解」に統一する)
▽「六方最密構造」(結晶構造を示すのに「六方最密充填)を使う教科書が多く、「六方最密構造」を併記する教科書もあるが、「六方最密構造」に一本化する。「六方最密充填構造ともいう」との注釈をつけるのが望ましい
日本化学会では、今回の提案に含めなかった用語についても、引き続き検討し、今秋をめどに追加提案を行う方針だ。