2000年10月20日 |
バイエル、ドイツで水素化NBR3,000トン設備が稼動 |
環境面に配慮/今後5年間で70億ユーロを投資 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:バイエル、環境省 |
独バイエルはこのほど、ドイツ・レバクーゼンで建設を進めていた年産3,000トンの水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(HNBR、商品名テルバン)新設備が稼動した、と発表した。同設備は、特別に環境に配慮した条件下で運転される新設備で、稼動により生産能力は、既存設備との合計でほぼ倍増した。 テルバンは、熱的に安定したHNBRで、耐熱性や耐油性を要求される、シーリングガスケット、ホース、タイミングベルトなどの自動車用部品の基材ポリマー向け高性能ゴム製品に用いられている。 新工場は、設計段階でエコロジー(生態環境)が特に重視され、将来のモデルとなるべく全く新しい生産プロセスを導入、原材料およびエネルギー使用量の低減や廃棄物・排出物量の削減を実現する。従来の工場に比べ、廃棄物量を大幅に低減するとともに、資源使用量が減少する。また蒸気消費量は年間2万トン減少、溶剤を含む排ガスが5,000立方メートル、窒素使用量は30万立方メートル削減される。 ドイツのユルゲン・トリティン環境大臣は、連邦政府の環境汚染削減投資プログラムから、70万ユーロを助成金として拠出、新工場の建設を支援しており、「この新工場は、単なる近代的な化学産業の生産工場ではなく、環境保護を最優先し、総合的な環境保護に熱心に取り組んでいる工場である。このため、ドイツ環境省は、テルバンの環境に優しい生産プロセスを試験プロジェクトとして支持した」と語った。 バイエルのアティラ・モルナー専務は、大気汚染の抑制について、「10年後までにバイエルは、ドイツ国内の工場からの温室効果ガスの排出量を53%削減しているだろう。これは政府の目標を上回るだけでなく、10年早く実現される」と述べた。 なお、バイエルは、過去10年間にわたり、130億ユーロ以上を、世界中で環境保護に配慮した生産施設の建設、運転のために投資しており、今後5年間は、さらに70億ユーロの投資を行う計画で、1日換算すると400万ユーロの投資になるという。 |