2000年10月20日 |
中国からのポリオレフィンの引き合い、依然低調 |
農ポリ用レジンの輸入減税枠の消化も影響か |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:伊藤忠商事 |
伊藤忠商事など大手商社によると、わが国に対する中国からのポリオレフィンの引き合いは国慶節明けも依然として低調に推移している。わが国の商社やポリオレフィンメーカーの中には、国慶節休暇が明けた9日以降に再び中国から活発な引き合いが寄せられると期待する向きもあったが、いまのところ完全に予想に反する動きとなっている。 その要因の一つは、韓国を始めとした対中輸出国がナフサ高に対処して中国向け船積み価格の引き上げを相次いで表明したことにあると見られている。韓国、シンガポール、タイ、日本などのトレーダやポリオレフィンメーカー筋が現在中国に提示している10月渡しの平均価格は、LDPEがトン当たりC&F850ドル、HDPEが同770ドル、L-LDPEが同750ドル、PPのホモポリマーが同700ドルとなっている。これらは9月に比べて同30~50ドル高く、最近の値上げの中ではめずらしく大きな上げ幅となっている。 最近の関係筋の間には、国慶節後の中国の引き合いや注文が一向に盛り上がらないままでいるのは、こうした大幅値上げに反発して多くの需要家が買い控えに転じているからではないかとの見方が広がっている。 また、LDPEやL-LDPEの不振については、国慶節前に農ポリメーカーの多くが集中して両樹脂を輸入したことによって、今年度の農ポリ用レジンの輸入関税の軽減枠に余裕がなくなったことを要因に挙げる向きもある。 いずれにせよ、同国の輸入の増減は中東・アジア地域全体の樹脂の需給バランスを大きく左右するだけにここしばらくの動きが注目される。 |