2015年04月01日 |
化学各社トップの入社式訓示 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:宇部興産 |
新年度入りの1日、多くの企業で新入社員を迎える入社式が行われた。産業界の中には業績好調から大量採用した企業も見られたが、化学業界はほぼ例年通りの入社式会場風景。トップからは、厳しい国際競争への備えや安全対策の重要性を説く言葉が相次いだ。 ■宇部興産では、宇部本社に64人の新入社員を迎えて入社式を開いた。 山本謙社長もこの日が社長としての初出勤日だった。「日本の景況には明るさが見えているといっても、業界によっては、厳しい経営環境が続いている企業も多い。UBEグループも建設資材事業は好調とはいえ、目下最大の課題は化学業界の復活にある」とあいさつ。「ものづくりを通じて顧客に価値を提供し、世界に貢献しよう」とエールを送った。 ■東ソーの宇田川憲一社長は、会社の現状を説明したあと、とくに大事な点として「積極的に挑戦して東ソーを変えてほしい。評論家になるな」、「社内のコニュニケーションを大事にせよ」、「当社は海外売上高比率が40%。ぜひ英語の力をつけてほしい」と、3つの注文をつけた。 ■旭化成の入社式は延岡市に大卒・高卒計333人の新入社員を集めて行なわれた。浅野敏雄社長は、「イノベーションで世界に貢献してほしい」と訴えた。「旭化成のグループ理念である「世界の人びとのいのちと暮らしに貢献する」ことを体現するためにのイノベーションが大切だ」と強調。また、社員の一人ひとりが仕事に対して具体的な「志」を持つよう呼びかけた。 ■昭和電工の市川秀夫社長は「世界的な政治・経済の大きなうねりの中で、当社も事業構造の転換に取り組んでいる。当社は今年、HDと黒鉛電極を両翼に展開した中計5カ年計画が最終年度を迎えるが、市場の変化を先取りした戦略の立案と推進は今後も重要だ」と訓示。「変化を恐れず、夢に挑戦しよう」、「地球温暖化やエネルギー問題など人類共通の課題は、当社グループにとって大きなビジネスチャンスだ」と期待を込めた。 ■住友化学の十倉雅和社長は「今年は住友総本店肥料製造所の営業開始から100周年を迎える。プラグマティズム精神に溢れ、自由闊達に議論できる企業風土を生かして、次の100年も力強く成長いけるようにしなけれがならない」と説いた。期待される社員像として(1)社会から信頼される人になる(2)自らの強みを再認識し、高める努力を続ける(3)グローバルな視野を持ち、多様性を尊重すること、の3点をあげ守るよう求めた。 ■富士フィルムホールディングスの古森重隆会長は「我々はイノベーション創出に全社一丸となって取り組んでいる。当社にとってイノベーションとは技術革新だけではない。全ての業務で新たな価値を生み出すことだ。新入社員に期待したいのは、従来の考え方は方法にとらわれず、スピーディに行動することだ」と要請した。「誠実さ、負けない気持ち、何ごとにも自分のこととしてとらえる、そして謙虚に学ぶ姿勢を持て」と励ました。 ■クラレの伊藤正明社長は、仕事に取り組む際の心構えとして、(1)「よく聞く」ということ(2)仕事に取りかかる前から「できない」と言わないこと(3)失敗を隠すな、失敗から逃げるな(4)小さな仕事を大切に、の4点を挙げ実践を求めた。「その上で安心・安全な職場を作るにはどうすればいいか、高い意識を持って考えてほしい」と訴えた。 |