2015年04月03日
富山大など、古い記憶を組み合わせ新しい記憶を作成
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

富山大学の井ノ口馨教授(医学部)らは3日、マウスを使った実験で、脳に蓄えられている異なる2つの記憶を人為的に組み合わせ、新しい記憶を作り出すことに成功したと発表した。
同研究はJSTの戦略的創造研究推進事業として東京慈恵医大の加藤総夫教授らと共同で行なった。

これまで古い記憶同士が結びつき、異なる新たな記憶が形成されるメカニズムは分からなかった。
研究グループはマウスを使い、場所や体験をそれぞれ独立した記憶として覚え込ませたあと、脳内にあるそれぞれの記憶痕跡を光遺伝学的手法で人為的に活性させた。これにより、脳にある2つの古い記憶を人為的に活動させて、新しい記憶を作り出すことができることを示した。
今後は、さまざまな記憶情報を関連づけ、新たな意味を持つ記憶を形成するという高次の脳機能の解明につながることが期待できるとしている。

同研究成果は4月2日(米国東部時間)、米国科学誌「Cell Reports」のオンライン速報版で公開。