2015年04月21日
昭電、高純度フッ化水素 体制強化、中国にも新設備
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工は21日、半導体製造用特殊ガスの一つである高純度HF(フッ化水素)の供給体制を強化すると発表した。今年3月に川崎事業所の生産能力を従来の2倍に引き上げたほか、中国に新たに製造設備を建設する。

高純度HFは、半導体の製造工程で主にクリーニング用として使用されるが、最近は化学的酸化物除去処理(COR)と呼ばれるドライエッチングにも同ガスの使用が増えている。

エッチング用途に求められる高純度を維持するには技術的課題が多いが、同社は独自の精製技術と品質の長期安定化技術によって解決し、エッチング分野の市場を拡大してきた。

また、中国でも100%出資会社の「上海昭和電子化学材料有限公司」に製造設備を建設することを決めた。設備は川崎事業所と同等規模を予定。今月着工し、今年内の稼働をめざす。

高純度HFは、従来の薬液によるウエットエッチングやプラズマエッチングなどと比べてもコスト面で有利なため、将来的にも市場拡大が続くと見込まれている。同社は独自の技術と安定した供給体制を生かしてさらなるシェア拡大を図る方針だ。


【用語の解説】
■クリーニング :成膜の工程で使われるCVD炉に付着する不要な化学物質を取り除くこと。
■ドライエッチング :反応性の気体(ガス等)によって基板上の薄膜(酸化膜)に微細な溝や孔を刻み、電子回路等を作ること。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1429593371.pdf