2015年04月24日
東大、記憶を正しく思い出す脳の仕組みを解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

東京大学 大学院の竹田真己元特任講師(医学系)らの研究グループは24日、記憶を正しく思い出すための脳の仕組みを解明したと発表した。サルが記憶を思い出している際に、認知機能や記憶の中枢である大脳の側頭葉で高次領域から送られる信号によって低次領域の皮質層間にまたがる神経回路が活性化されることを明らかにした。

複数の記録チャンネルを持つ電極を使用して、側頭葉の皮質間の信号を記録した。またより高次の領域からの信号も同時に記録し、サルが視覚の長期記憶を想起しているときは、神経回路がトップダウン信号によって活性化されることを突き止めた。

これまで脳が記憶を思い出すための仕組みは解明されていなかった。
今後は記憶の想起を支える大脳ネットワークの作動原理の解明が進み、視覚的な記憶障害に関わる神経回路の研究が進展すると期待される。

同研究は科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業の一環として行われた。
研究成果は4月23日(米国東部時間)に米国科学誌「Neuron」のオンライン速報版で公開される。