2015年04月24日
大日印刷と理研、ナノレベル細胞培養プレート開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

大日本印刷と理化学研究所は24日、細胞培養プレート上の細胞の分化状態を識別する再生医療分野の技術確立に向けた共同研究を実施し、このほどナノレベルの微細加工技術を利用した細胞培養プレートの開発に成功したと発表した。この成功により、細胞にダメージを与えず容易に分離することが可能となり、再生医療に係わる細胞の品質と安全性の向上が期待される。

再生医療や創薬、細胞移植治療については、体外から良質で均質な機能性細胞を取り込む技術が重要。なかでも、培養過程で細胞の分化状態を識別し、異質な細胞を分離させる技術はその基盤となる。細胞の分化状態を識別する際、従来は蛍光ラベルを付与し、溶液に細胞を分散させて分離していたが、これらの処理によって細胞がダメージを受ける懸念があった。

今回、大日印刷と理研は、細胞種の違いで親和性が顕著に異なる表面細胞構造の同定に成功した。
この成果を活かして大日本印刷のナノレベルの微細加工技術により、ガラスの表面を凹凸構造に加工した細胞培養プレートを開発した。これにより、再生医療に欠かせないダメージのない良質な細胞を得ることができる。

今後、同技術を活用し、安全性の高い細胞分離が効率よく行えるシステムの確立を目指す。