1999年11月30日
プラ処理協/宇部興産/荏原製作所、廃棄物の加圧二段ガス化プロセス実証プラント竣工
加圧系三菱ガス化学による有機廃棄物の化学工業原料へのリサイクル技術の開発
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:宇部興産、三菱ガス化学、NEDO、プラスチック処理促進協会

 社団法人プラスチック処理促進協会、宇部興産、荏原製作所の三者は30日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、廃プラスチック等有機廃棄物から化学原料として利用可能な合成ガスを製造する技術の研究開発を進めていたが、このほど山口県宇部市に実証プラントが完成、本日竣工式を行った、と発表した。
 この研究開発プロジェクトは、廃プラスチックなどの有機廃棄物を高温・高圧下でガス化した後、化学工業原料として利用可能な合成ガスを製造する容器包装リサイクル法に適合した循環型リサイクルシステムの確立を目的としている。実証プラント場所は、宇部興産の関連会社である宇部アンモニア工業の隣接地で、廃プラスチック処理能力は30トン/日。また実証期間は平成11~12年度で、実証費用はプラント建設費を含め約30億円となっている。
 具体的には、廃プラスチック等の有機廃棄物を破砕、固形燃料ような成形品を作り、これを加圧下の低音ガス化炉および高温ガス化炉の2段システムで熱分解および部分酸化(ガス化)する。金属類は未酸化の状態で回収され、灰分はスラグとして回収される。また高温の生成ガスは、冷却水による急冷、アルカリ洗浄を経てガス中の塩素分を除去した後有効利用されるが、高温処理、急冷によるダイオキシン類の合成、再合成は起こらない。さらにこのプロセスにガス精製設備を併設することで、〓有機廃棄物から、石油・石炭など化石原料により得られるガスと同品質の合成ガスが製造できる、〓不燃物や塩素などの有害物質の除去により環境負荷の低減に寄与する、〓既存の技術と異なったゼロエミッションのリサイクルが可能、などの特徴をもつ。
 なお実証試験後、宇部興産と荏原製作所は、平成12年度から完全施行される容器包装リサイクル法にともなう容器包装廃プラスチックの再商品化事業への参入を目指す方針。