2000年10月18日
旭化成と奇美実業のPC合弁計画、原料BPAは3社からの調達を検討
来年初めにも機器導入/完成は予定通り2001年10月を目指す
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭化成、バイエル

 旭化成工業と台湾の奇美実業は、2社合弁で建設を進めている台湾・台南県のPC(ポリカーボネート)設備向けの原料BPA(ビスフェノールA)の調達について、同国内外3社からの調達を検討している。また建設工事は順調に進んでおり、来年初めには機器を導入、当初計画通り2001年10月の完成を目指す。
 同計画は、合弁会社の旭美化成(旭化成49%、奇美実業51%出資)が進めているもので、現在旭化成が独自に開発した新プロセスを用いて、第1期5万トン設備の建設工事を進めている。このプロセスは、いわゆるメルト・エステル交換法で、廃水や排出物の処理設備や、ホスゲン対策のために設備をクローズド化するための投資を必要としないほか、塩化メチレンも使わないため、光磁気ディスクの生産に大敵とされる塩素を含まないなどの特徴がある。
 現在アジアを中心に世界中でPCの新増設計画が打ち出されているが、PCの能力増加分に比べ、原料BPAの計画が若干少ないため、旭化成と奇美実業が原料をどう調達するかが注目されてきたが、現在、台湾の信昌化工のほか日本および欧米企業の約3社を候補に調達を検討している。
 またPCの販売は、台湾が光磁気ディスクの生産基地であることから、ディスク向けをメインに販売していく考えだが、旭化成は、PC/ABSアロイのノンハロ難燃グレードで多くの特許を有しているGEプラスチックス、バイエルの特許に抵触しない技術を確立しており、この技術を旭美化成にライセンス、PC/ABSアロイ事業も展開していく考え。
 なお、両社は第2期5万トンを増設、台湾で10万トン体制を確立する考えだが、第1期設備の稼動後、プラントの運転や品質を確認した上で、早期に増設を具体化していく方針。

<参考>http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/pj/pjpc>世界のポリカーボネート新増設計画
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