2015年05月20日
淡輪・三井化学社長「成長3分野拡大に全力」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学
淡輪 敏社長

三井化学の淡輪敏社長は20日の経営概況説明会で、現行中計(14~16年度)進捗状況について「フェノール、ウレタン、石化など基盤素材事業の再構築が進み、順調な成長過程に入った。15年度の業績目標である営業利益520億円は確実にクリアできる見通しだ」と述べた。昨年4月の社長就任時口にしていた“V字回復”は「もう言わないことにした。それより成長3分野の拡大に向け戦略を加速する」と、今後の展開に自信をみせた。

2014年度決算は営業利益420億円で前期比171億円の増加、最終利益は251億円の赤字から173億円の黒字へと424億円の大幅改善を果たした。15年度はさらに底上げして、営業利益 24%増の520億円、最終利益45%増の250億円を目指す。淡輪社長は「表面の数字より中身が大事だ。ROEは1.5ポイント改善の6.0%、NetD/Eは有利子負債削減などにより0.1ポイント改善の1.12。配当も前期の5円から6円へと完全復配したい」と、財務内容の改善にも意欲を見せた。

同社の成長3分野とは、金属樹脂一体成型やLiB関連材料など自動車用途向け「モビリティ領域」、不織布やメガネレンズ、歯科材料などの「ヘルスケア領域」、フィルム・シートや農薬事業などで構成する「フード&パケージング領域」の3分野。戦略加速のため3年間で500億円としていた成長投資計画を30%拡大する。

2020年近傍を目標に売上高1兆8,000億円、営業利益1,000億円、最終利益500億円、ROA6.0%、NetD/E1.00を掲げていたが、事業ポートフォリオでは営業利益1000億円のうちの90%を高収益のこれら成長3分野が占める。
淡輪社長は「ターゲットは2020年だがもっと早く前倒しで実現したい」と力を込めた。