2000年10月17日 |
東亞合成、アクリル酸エステルの輸出価格の引き上げを一段と本格化 |
4Qは100ドル以上の引き上げで交渉へ |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:BASF、東亞合成 |
東亞合成は、アクリル酸エステルのアジア市況の立て直しを図るため、輸出価格を段階的に引き上げる方針で、ユーザー毎の交渉を一段と本格化させる。 アクリル酸エステルのアジア向け輸出価格は、今年に入って四半期ごとに約50ドルの値上げが浸透、3QはCIFトン1,000ドル台に乗せている。しかし、ここへ来てのナフサ、アルコールなど原料価格が一段と上昇していることもあり、4Q価格については100ドル以上の価格引き上げを図りたい方針だ。 アジアではマレーシアにおいてBASFペトロナスがアクリル酸年産16万トンおよびブチル、2エチルヘキシルなどの大型設備を立ち上げており、需給の軟化が懸念されていた。しかし、同設備の稼働は低水準に止まっており、今後エステルの需要期を迎えることもあり、需給はウエルバランスで推移するものと見られている。 同社では、昨年3月にシンガポールの生産設備が立ち上がったことから、輸出については日本から行っていた年間数万トンを同拠点からの供給に切り替え、フレート、生産、原料など最適なコストに則った供給体制を確立している。しかし、現在の原料水準では自助努力も限界だとして早急な採算是正を図っていくことになるとしている。 なお、国内価格についても値上げを打ち出しており10月5日出荷分からアクリル酸がキロ10円、アクリル酸エステルが20円で、こちらも早急な決着を目指す方針。 |