2015年05月27日
東レ、中国で下水処理場のコスト2割低減実証
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

東レは27日、中国・蘇州下水処理場で限外ろ過(UF)膜「トレフィル」(商品名)を使い、下水処理コストが2割低減できることをパイロット実証したと発表した。
下水の再利用には従来、前処理として砂で汚れ成分を除去した後、逆浸透膜(RO)にかけて、再利用可能なきれいな水にしていたが、今回、独自の運転技術で砂ろ過に替えてUF膜でろ過、RO膜の薬品洗浄頻度を大幅に少なくすることに成功した。RO膜の交換費用が削減でき、プロセス全体では水処理コストの2割削減を達成した。

今回の実証は、東麗先端材料研究開発(中国)有限公司(TARC)水処理研究所と連携し、蘇州下水処理場および上海交通大学と共同で実施した。

<主な研究成果>
(1)下水処理東レUF膜「トレフィル」をRO膜「ロメンブラ」の前処理に適用することで、UF膜+RO膜による下水再利用プロセスの安定運転に成功。
(2)従来の砂ろ過法による前処理に比べ、RO膜のファウリング(汚れ)を約9割低減。「トレフィル」使用による効率的な前処理によって、ファウリングの原因となるバイオフィルムの形成速度を抑制。
(3)RO膜のファウリング低減により、RO膜の連続運転に必要な薬品による洗浄頻度を大幅に削減。
(4)同時にRO膜の交換費用を砂ろ過法比約4割削減。
(5)これらの効果で、プロセスとしての処理コストを従来主流の砂ろ過法による前処理プロセス比で約2割削減に成功。