2015年06月12日

「世界の石化動向」中国石炭化学、米シェールの読み方

【カテゴリー】：行政/団体 【関連企業・団体】：経済産業省

経済産業省化学課はに12日発表した「世界の石油化学製品の需給動向（2006～2019）」の中で、とくにポイントとなる「中国の石炭化学の動向」と「米国のシェール革命の影響」をどう見るかについて、要旨次のように補足説明した。 ■中国の石炭化学の動向等 ・中国の石炭化学プロジェクトは、公表済みの50近い計画（エチレン換算で約1.7千万トン）のうち、2016年末までに11（同0.3千万トン）プロジェクトが実行されると見込んでいるが、それ以降は原油価格の急落、中国国内の環境規制強化の動きにより、どの程度実行されるかは不透明である。 ・プロピレンは、LPG価格の長期的な弱含み見通しのもと、PDH（プロパン脱水素）が急速に進展、MTP（メタノールからDMTを経由して製造する）も合わせたプロピレンの生産能力は2千万トン（2013年）から3.7千万トン（2019年）まで増加する見込み。 ■米国のシェール革命の影響 シェール由来の新増設エチレンプロジェクトは、原油価格の値下がりによる優位性の低下や建設コストの上昇等の影響を受けるものの、ナフサに対する絶対的な価格競争力は変わらない。一部のプラントには稼動開始時期に1年程度の遅れが見られるが、2017年、2018年をピークに1千万トンを超える能力増強が見込まれる。その結果、米国のエチレン生産能力は2.8千万トン（2013年）から3.8千万トンまで増加する見込みだ。 ■需給バランスのポイント （1）エチレン系誘導品の需給バランスは、中国では石炭化学等の進展に伴い生産能力が増加するものの、それを上回る勢いで需要が増加氏、2019年には需要超過幅が17百万トン（2013年16百万トン）に広がる見通し。一方、中東では生産の拡大により2019年には19百万トン（2013年15百万トン）の供給超過になる見通し。北米では供給超過幅が2019年には8.3百万トン（2013年7.5百万トン）に広がる見通し。 （2）プロピレン系誘導品の需給バランスは、中国では2013年に需要超過幅が6.4百万トンに達して以降はPDHプロジェクト（プロパン脱水素）等の進展に伴い、2019年には3.2百万トンまで需要超過幅が減少する見通しである。