2000年10月16日
積水化学、インターネットを活用した新販売システムi-FRONTが稼動
環境・ライフライン/高機能樹脂ドメイン対象に来春からネット受注も開始
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:積水化学工業

 積水化学工業は16日、同社3つの事業ドメインの中で、住宅を除いた環境・ライフラインおよび高機能プラスチックスの2事業ドメインを対象に構築された現行の販売システムを再構築、インターネットを活用した新販売システム「i-FRONT」を今月から稼動した、と発表した。これにともない2001年春からインターネットによる受注を開始する。
 今回同社は、構築から長期間が経過した販売システムを全面的に刷新、ユーザーに対する情報提供から引合、受注、出荷までのトータルプロセスをカバーし、インターネットを活用した新システムの稼動を順次開始する。具体的には、(A)インターネット上で営業情報を発信する機能と、(B)インターネットで受注する機能の2つで構成されている。インターネットを導入することにより、これまで数百社程度に限られていたユーザーとの接点(ネットワーク)の数を飛躍的に拡大することが可能となる。また、新製品の紹介や既存製品の新しい用途提案を(A)に乗せて全世界へ発信、あるいは従来の概念を超えて販売店や大口顧客から(B)により直接受注するなど、ユーザーとの双方向な接点を軸に、事業戦略と一体となって販売物流面における構造改革を目指す。
 まず今月からサービス提供を開始した(A)については、インターネットによる製品情報の発信を4つの事業(環境・ライフライン事業本部の塩ビパイプなどの管工機材製品、高機能プラスチックス事業本部の包装テープと広告用のマーキングフィルムを対象としたサインシステム、発泡ポリエチレン製品であるフォーム)でスタートした(http://i-front.sekisui.co.jp)。情報提供内容は、新製品紹介や既存製品の新規用途提案、製品CAD情報、施工図、色見本など。会員制のページでは製品スペックや詳細な仕様データなどの技術情報、同社の製品を利用する上で有効な設計支援ツール(CADシステム)などを提供する。また、ユーザーからの問い合わせに対応する問い合わせ受付機能と問い合わせ情報のイントラネットでの活用により、ユーザーとの直接接点を拡大、ユーザーの利便性を図る。さらに同社が市場ニーズを早期にキャッチすることで、商品開発やCS経営への活用を目指す。このほかサーバーを社内に設置することで、ユーザーとの間でデータベースを共有、ユーザーとの協業を可能とする“場”を提供する。
 一方、(B)は来春からサービスを開始する予定で、住宅を除いた全ての製品について、代理店や同社への受注を対象に、既存販売システムであるVAN(代理店1,000店に導入済み)に代わるインターネットによる受注機能を実現、順次置き換えを実施する。また社内システムと連携した第2世代のWeb-EDIシステムのため、リアルタイムの在庫情報提供が可能となる。さらにインターネットを利用できるパソコンからの受注を実現することで、専用端末装置や専用線敷設など、コスト面でVAN導入が難しかった中小代理店や販売店からもオンライン受注が可能となる。これにより、代理店地震の業務効率化と、社内の業務効率化を図り、全体として受注オペレーションコストの削減を実現、競争力の強化を目指していく方針。