2015年06月17日
東レ、カプロ合成 LED化で30%省エネ化
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

東レは、ナイロン6の原料であるカプロラクタムの合成工程で、東芝ライテック(本社・神奈川県横須賀市、揖斐洋一社長)と共同により、工程で使用するナトリウムランプを新開発のLEDランプに切り替えることで、電力の使用量を30%削減する技術を開発したと発表した。

東レは、カプロラクタムを光反応技術を用いて年間約10万トン製造している。
光反応技術とは、光反応用のランプから出る光子で、塩化ニトロシル(NOCL)を解離させてラジカルを発生させ、中間体であるオキシムを経てカプロラクタムを製造する技術で、東レが独自に開発した。

従来、この光反応用のランプには、東芝ライテックのナトリウムランプを使用してきたが、省エネを目的に2009年から消費電力の小さなLEDランプの共同研究に取り組み、2015年11月から既存設備の切り替えを開始した。
今回開発したLEDランプは、通常市販されているランプと比較すると、長さが約20倍、出力が6000倍あり、LED発光素子数は世界最大の4万個。この数の素子をランプの中にコンパクトに収めるためには、素子の高密度化と除熱、また定電流制御装置の極小化が課題だったが、共同研究により世界で初めて成功した。