2015年06月19日
神戸大と理研、稲わら中の化成品原料成分を解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

神戸大学と理化学研究所は18日、稲わらから取り出したバイオ化成品やバイオ燃料生産原料の成分を解明することに初めて成功したと発表した。今後は、デンプンを多く含む稲の栽培に応用することが期待できるほか、バイオ化成品やバイオ燃料生産の低コスト化・効率化が期待される。

稲や麦などの再生可能資源(バイオマス)からバイオエタノール等の化成品や燃料を生成するためには、希硫酸で不要な成分を除去する「前処理」と、微生物による「発酵」プロセスが必要。研究チームは日本で最も廃棄性バイオマスとして期待される稲わらに着目した。

神戸大学農学研究科で整備する13種類の稲わらを使用して、工学研究科のバイオリファイナリー技術を利用した「前処理」前後47種類の構成物質の変化を理研の核磁気共鳴(NMR)技術により解析した。さらに「前処理」後に得られた糖や酸の濃度を分析し、47種類の坑井物質と濃度の相関を見出した。その結果、「前処理」後の固体中にはセルロース、液体中にはグルコースが含まれており、グルコース量がデンプンに左右されることがわかった。

今回、稲わら中の化成品原料成分が初めて解明されたことにより、今後はバイオ化成品やバイオ燃料の効率的な生産が可能になることが期待される。