2015年06月22日
特許庁、「悪意の商標出願」各国対応に違い
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:特許庁

経済産業省・特許庁は、昨年12月東京で開催された日米欧中韓商標担当5庁(TM5)による「第3回TM5年次会合」で、有名ブランドが無断で商標出願・登録される、いわゆる「悪意の商標出願」に、各国が制度・運用面でどのように対応しているかをまとめた報告書を公表した。今後、企業や弁理士などのユーザーに対して“悪意の商標出願”への対応に生かしてほしいとしている。

報告書は、特許庁が主導し、日米欧中韓の各庁と共同で作成した。
第1章「各庁の悪意の商標出願に関する制度及び運用の概要」から「各庁の制度・運用の比較・要約」、「比較表」(国別に比較)の3章で構成。

ポイントの1つは、各庁の制度・運用の違いが明らかになった点にあるようだ。
例えば、商標出願に「悪意があるか」の判断は、日本と韓国では審査官が職権で審査する段階で判断できるが、中国や米国では職権審査では判断せず、暫定結果公告後に第三者から異議申し立てがあった場合、または登録後に無効審判の請求があった場合に判断する。欧州では、商標登録後に無効審判の請求があった場合にだけ判断が行なわれる。
また、国内では商標登録されていない「海外の周知な商標」を保護するための具体的な規定についても、日本や韓国には規定があるが、中国、米国、欧州は同じような規定がない。
特許庁では、「各国の制度・運用の違いを理解して対応を考えていくことが何より重要」としている。