2015年06月23日
中外製薬、血友病新規抗体、良好な中間データ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:中外製薬

中外製薬は23日、血友病A患者を対象に開発中のバイスペシフィック抗体「ACE910」の第1/2相臨床試験の中間データをカナダ・トロントで開催中の国際血栓止血学会年次総会(ISTH 2015 Congress)で公開したと発表した。
公開は現地時間の6月22日の午後口述セッションで行われた。

試験は、血液凝固因子に対するインヒビター保有/非保有の日本人の血友病A患者を対象に、同抗体の安全性および出血抑制を目的とした予防投与の有効性について探索的な検討を行った。これらの2本の試験データの中間解析により、インヒビターの有無にかかわらず5.6~18.5カ月間(フォローアップ期間)における良好な忍容性と有効性が確認された。

試験の結果、安全性については、有害事象は18例に認められたが、全て軽度から中等度のものだった。このうち、ACE910との因果関係が否定できない副作用は6例に認められた。その主なものは投与部位反応だった。

抗体「ACE910」の週1回の皮下投与により、インヒビターの有無に関わらず、各コホートにおいて出血抑制効果が認められた。そのうち、同抗体投与期間中に全く出血を認めなかった症例は18例中9例だった。