2002年05月13日
旭化成、川崎にMMAシートでも新設備を設置へ
大型液晶導光板の需要の増大に対応
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成は川崎・浮島工場内にMMAシートの新設備を設置することにして準備に入った。現在同工場では、年産1万8,000トン能力のシート設備が稼動中だが、同社では今年11月に同6,000トン能力の新設備を追加設置する計画。総設備能力は同2万4,000トンとなる。所要資金は7~8億円の見込み。
 
 今回の計画は、大型液晶導光板向けにMMAシートの需要が急速に拡大する傾向が顕著となってきた点を睨んでのもの。液晶導光板向けには、MMAの成型材料が使われるケースとシートが使用される場合とがあり、旭化成はその両方のニーズにフレキシブルに対応していける体制を構築している。販売シェアは、成型材料とシートをあわせると旭化成が全世界のトップを占めている模様。いずれの製品もここにきて需要が本格的な立ち上がりを見せてきており、このため旭化成では先ずは千葉工場の溶液重合法成形材料の生産設備を5月末に従来の同1万5,000トン能力から同2万トン能力に増強することして現在工事を進めているところ。
 今回はこれに加えて、15インチ以上の大型液晶用導光板向けに需要が急増し始めたシートについても量産体制を整えることにしたもの。
 液晶用MMA製導光板は、3年前から普及しはじめて昨年の総需要量は世界全体で約2万1,000トンに達したと見られている。今後は拡大に加速がつき、2003年には3万トン、2005年には6万トンに膨らむというのが関係筋に共通した見方となっている。中でも大型画面向きのシートの需要の拡大が特に期待されている。
 なお旭化成では、こうした展望を背景に同社特有の直メタ法MMAモノマー設備(川崎・塩浜工場)の生産能力を現在の同7万トンから同10万トンに増強することにしている。今年11月に完工の予定。