2000年10月13日 |
PC/ABSアロイ、PC需給タイトで原料調達が厳しい状況続く |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
PC(ポリカーボネート)とABS樹脂、あるいはPCとPS(ポリスチレン)のアロイは、原料のPC需給が依然としてタイトな状態で推移していることから調達が難しくなっており、生産への影響を懸念するメーカーも出ている。 PC/ABSやPC/PSアロイを生産しているメーカーは、ABS樹脂ややPSメーカーのほかPCメーカーが多い。以前はPCとスチレン系樹脂の比率が50:50程度であったが、需要の拡大とともにより高機能化のニーズが高まるにつれ、現在は70:30程度と、PCの比率が高まっている。 これらのアロイは、主にコピー機やプリンターなどOA機器のハウジング用途に用いられており、難燃材料のノンハロゲン化の時流に乗って、ABS樹脂などの難燃グレードを代替する形で成長している。このためアロイの価格は、常にABS樹脂の難燃グレードと比較されてきており、PCの比率が高まっているにも関わらず下がりつづけている。このため、「PCを単体で売るのに比べ、あまり儲からない事業」(大手PCメーカー)という声も聞かれる。 特にPCは、光磁気ディスク向けをはじめとして高成長が続き、需給が極めてタイトバランスで推移しているため、利益率の低いアロイにまわす余裕がないのが現状。PCでは数多くの新増設計画が打ち出されているが、少なくとも来年後半まではタイトな状態が続く見通しで、アロイメーカーは当面厳しい状況を覚悟する必要がありそうだ。 |