2015年07月13日 |
東邦テナックス、高強度・高弾性率炭素繊維 開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:帝人 |
帝人グループで炭素繊維・複合材料事業を展開する東邦テナックス(本社・東京都千代田区、吉野隆社長)は13日、航空機や自動車用途で求められる高強度と高弾性率を両立した新しい炭素繊維「XMS32」を開発したと発表した。 炭素繊維には、強度とともに薄肉化に対応する剛性(弾性率)向上が求められているが、一般的にPAN(ポリアクリロニトリル)系の炭素繊維は、高強度と高弾性率を両立させることが難しいとされてきた。同社は今回、炭素繊維の原料であるプリカーサーの構造設計や、炭素繊維の製造プロセスを最適化することで、均一な構造を有する高強度と高弾性率の炭素繊維の開発に成功した。 新炭素繊維「XMS32」は、従来、航空機用途を中心使用されてきた「IMS65」に比べ、強度・弾性率ともに10%以上の向上を達成した。炭素繊維表面の化学的特性と平滑性をナノレベルで制御する表面改質技術を開発したことにより、樹脂との接着性も飛躍的に向上した。 同社は、航空機用途に向けて「XMS32」を使用したプリプレグ(炭素繊維シートに樹脂を染み込ませた)の開発を進めており、将来的には自動車用途やハイエンドスポーツレジャー用途に向けてもこのプリプレグを展開していく方針である。 |