2015年07月21日
農環研など、カドミウム浄化に高吸収イネ開発
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:農林水産省

農業環境技術研究所(農環研)と農業生物資源研究所(生物研)は共同で、カドミウム汚染水田の浄化に利用できるカドミウム高吸収イネ品種を開発し、「ファイレメCD1号」として品種登録出願したと発表した。
カドミウムは、天然に広く存在する重金属であり、鉱山開発、精錬などにより環境中に排出されるなど、さまざまな原因により一部の水田などの土壌に蓄積しているため、コストがかかる客土に代わる汚染浄化技術が求められていた。

「ファイレメCD1号」は、カドミウムをよく吸収する外国のインディカ品種「ジャルジャン」にガンマ線を照射して得られた突然変異体である。「ジャルジャン」が持つ脱粒しやすく倒伏しやすいという欠点を改善したことで、日本の機械化栽培体系に適合し、国内での栽培が容易になった。

また、日本の食用品種より背が高く、長粒の赤米であることから、国内の食用品種と容易に識別できるのも特徴である。カドミウム汚染水田の実用的な環境浄化植物(ファイトレメディエーション植物)として広く利用できると期待されている。