2000年10月12日
昭和電工、ダイセル化学など、4Q酢酸輸出価格50ドルアップ打ち出し
3Qの交渉大詰めも、採算是正から4Qの値上げ打ち出しへ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工、ダイセル化学

 昭和電工、ダイセル化学など酢酸メーカーでは、4Qの酢酸輸出価格について3Q比50ドルアップする方針を決め、需要家へのアナウンスを開始した。
 酢酸の3Q輸出価格については現在も交渉が続いており、2Q比75ドルアップのCFR・トン595~605ドルで大詰めとなっている。
 メーカー側では、需給がタイトに推移している上、原料価格の高騰から早期決着を目指しているが、ユーザーとなるPTA(高純度テレフタル酸)メーカーの抵抗が続いており、期中を過ぎて交渉が長期化しているもの。
 しかし、メーカー筋では、4Qについても現在の採算水準からは値上げは避けられないとして、50ドルアップと3Qの交渉決着前に打ち出しを行うこととなったもの。
 酢酸の需給バランスは、シンガポールセラニーズが設備トラブルにより現在も稼働再開のめどが立っていないこともあり、依然タイト状態が続いている。世界的にもセラニーズの米国クリアレーク工場が9月末に復旧したものの、酢酸ビニル、酢酸エチルなど誘導品が好調に推移していることもあり、タイト感が強まっている。
 メーカー側では、玉の安定供給の点からも採算是正は避けられないとして、3Q価格については遅くても今月中の決着を図り、4Qの値上げについても交渉を行っていくことになるとしている。