2015年07月22日
富士フィルムのインフル新薬、台湾政府備蓄用に輸入
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:富士フイルム

富士フィルムは22日、グループ会社の富山化学工業が創製した、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」が台湾の政府機関、衛生福利部疾病管制署(CDC)から国の備蓄用として特例輸入されることになったと発表した。
CDCは鳥・豚インフルエンザおよび新型インフルエンザ治療薬として同剤の効能を評価し、台湾国民のリスクに備えることにした。富士フィルムはこのほど同署への供給を終えた。

インフルエンザウイルスは感染した細胞内で遺伝子を複製し、増殖・放出することで他の細胞に感染を拡大する。
これまでの医薬品は増殖したウイルスの放出を阻害して感染を防ぐ(ノイラミニダーゼ阻害剤)働きが中心だが、「アビガン剤」は、細胞内の遺伝子の複製を阻害する(RNAポリメザーレ阻害剤)点に特徴がある。

このため各種の鳥インフルエンザウイルスな対する抗ウイルス作用が期待されており、実験動物レベルですでに効果が確認されている。富士フィルムが同剤を備蓄用として供給するのは初めて。実際に投与された場合には、その情報が富士フィルムに提供されることになっている。


ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1437537657.pdf