2000年10月11日 |
ABS樹脂、各社とも値上げには慎重も検討は最終段階に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
ABS樹脂業界では、原料価格の急騰にともなって値上げ機運が高まっているが、昨日値上げを表明した電気化学に続いてどのメーカーが値上げを打ち出すかが注目されている。年内決着を目指した場合、期限が迫っているのも事実で、各社とも最終的な検討を進めている。 これまでABS樹脂の値上げは、昨年末と今春の2度にわたり実施されている。1次値上げはキログラム当たり17~20円の打ち出しに対し15~20円弱、2次値上げについては30~35円の打ち出しに対して16~20円に圧縮される形で決着した。2次値上げが浸透した春先には、原油価格も落ち着いてきたことから、新値移行後は当面この水準で推移すると見られていたが、9月以降原料価格が急騰、主原料のSM(スチレンモノマー)およびブタジエンのアジア市況も高水準で推移しているほか、AN(アクリロニトリル)も輸出価格の引き上げなどの措置が行われている。 一方、スチレン系製品でば、SMとPS(ポリスチレン)が、すでに値上げを打ち出しており、「ABS樹脂も(値上げを打ち出す)素地は出来つつある」という点では各社とも見解が一致している。また、先に述べたように過去2回の値上げでは、充分採算を確保したとは言えない。ただし、ユーザーの抵抗も予想されるだけに、各社とも慎重にタイミングを図っており、今後大手を中心とした他のABS樹脂メーカーの動きが注目される。 |