2000年10月11日
三菱化学と三菱レイヨン、ANおよび関連事業を合弁会社に統合
国際競争力のある事業再構築へ、合理化効果は年間約20億円見込む
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱レイヨン

 三菱化学と三菱レイヨンは11日記者会見し、両社のAN(アクリロニトリル)とその誘導体のAAM(アクリルアミド)、ポリアクリルアミド(アクリルアミド系高分子凝集剤)および関連事業を新会社に統合することで合意した、と発表した。
 新会社の社名、資本金は未定だが、営業開始は2001年4月、出資比率は三菱化学50%、三菱レイヨン50%、社長は輪番制とする。事業内容はAN、AAM、ポリアクリルアミド、ACH(アセトンシアンヒドリン)などの製造、販売および研究開発で、売上高は約300億円。新会社のAN設備能力は、年産20万5,000トン、AAMは6万5,000トン、ポリアクリルアミド1万5,500トンとなる。
 両社では新会社にANおよび誘導体事業の研究開発・生産・販売まで一体化させることで、研究開発力の強化、技術サービス力の強化、より効率的な生産、販売、物流体制の再構築を図ることで、国際競争力を持つ事業運営を目指す。合理化効果としては第1次として年間約20億円の合理化を目標とする。
 三菱化学は1959年からANの製造、販売を開始、その後誘導体であるAAM、そのポリマーであるポリアクリルアミドに至る事業チェーン全てにおいて、市場の国際化、競争の激化などにより、抜本的な事業再構築が急務となっていた。
 三菱レイヨンも、旧日東化学(1998年に三菱レイヨンと合併)において、1957年からAN、AAM事業を行っていたのに加え、同社100%出資のダイヤフロックでポリアミドの製造・販売を行い、モノマーからの一貫事業を展開してきた。
 三菱化学の正野寛治社長は「今回の提携の目的は、AN中心のプロダクトチェーンの世界における勝ち残り体制をつくるためという一言につきる。国際競争力を高めるため、研究・販売・物流面などANチェーン全般に渡り事業構造の再構築を進め、早く効果が出るよう一層の努力をしていく。」と語った。
 三菱レイヨンの皇芳之社長は「ANチェーンの競争力強化を図り、今後の成長への布石とするため今回の提携となった。当社は樹脂、繊維、炭素繊維などのダウンストリームを持っている。AAM、ポリアクリルアミドなどでは、技術などの面でシナジー効果が期待でき、将来的な海外展開も図れる。」と語った。

<新会社の概要>
社名:未定
社長:輪番制
営業開始:2001年4月1日
資本金:未定
出資比率:三菱化学50% 三菱レイヨン50%
事業内容:AN、AAM、ポリアクリルアミド、N-ビニルホルムアミドおよび同ポリマー、アセトンシアンヒドリン並びにAN、AAM製造用触媒の製造、販売および研究開発
売上高:約300億円
従業員数:未定

<参考>
http://c-nt.co.jp/news/mman.gif>