2015年08月05日
千葉大など、ニンニク成分遺伝子、世界初発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は5日、千葉大学、ハウス食品グループ、湧水製薬との共同研究グループが、ニンニクの薬理効果や健康機能作用の本体である含硫黄化合物アリインの生産のカギとなる酵素遺伝子を世界で初めて発見したと発表した。ニンニクが示す薬理作用は、ニンニクが生産する含硫黄化合物アリインが本体。アリインの生合成機構の解明を目指した研究は1960年代から行われてきたが、生合成にかかわる酵素遺伝子はほとんど未解明だった。

共同研究グループは、ニンニクが属するネギ属植物の遺伝子配列の生物情報学的解析に基づき、アリイン生合成のカギとなる酵素遺伝子「AsFM01」の同定に成功した。この遺伝子から作られるタンパク質の酵素機能を解析した結果、この酵素がアリイン生合成経路の最終段階において生合成中間体の硫黄原子を酸化するする機能を持つことが判明した。今回の研究成果はアイリン等の含硫黄化合物の効率的生産や創薬への展開、健康機能を多く含むニンニクの育種などへの応用が期待できる。