2015年08月06日
理研、塩害に強いコムギのメカニズム解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は6日、理研環境資源科学研究センターとオーストラリアのアデレード大学との国際共同研究グループが、南オーストラリア産のコムギが塩ストレスに強くなるメカニズムを解明したと発表した。

一般的に農作物は塩分の多いところでは育たない。特に乾燥地帯が広がるオーストラリアでは塩害による収量低下が深刻な問題となっている。
国際共同研究グループはまず、塩害農地とほぼ同じ濃度の条件で塩ストレスに強い品種と弱い品種のコムギを探した。実験にはコムギの成長を自動的に正確に記録・解析できる自動解析スキムを用いた。この結果、マイルドな塩ストレスに強い品種と、弱い品種を選び出すことに成功した。次に遺伝子発現を網羅的に解析し、塩ストレスに強い品種では多くの遺伝子が塩ストレスに応答して素早くダイナミックに変化することを突き止めた。
塩害農地での品種改良に重要な知見が得られた。

同研究成果は米国のオンライン科学雑誌「PLOS ONE]8月5日付(日本時間8月6日)に掲載。